千代田自動車合併編のあらすじ

ドラマ化された山崎豊子の小説「不毛地帯」の千代田自動車合併編のあらすじについて。千代田自動車のモデルはいすゞ自動車です。

近畿商事(モデルは伊藤忠商事)・事業本部の壹岐正(モデルは瀬島龍三)は経営戦略会議で、重工業部門を強化するため、繊維部門の人材200人を非繊維部門へ異動させることを提案します。

しかし、かねてから確執のある副社長・里井達也のほか、「アフリカパンツ」の異名を持つ一丸専務や総務担当の正岡常務や繊維部門の金子常務などの重役陣が抵抗します。

繊維は賃金の安い中国や韓国へシフトして行くのは目に見えていましたが、元々繊維商社だった近畿商事は、繊維部門が売上げの中心を占めており、重役達が繊維部門の人員削減に猛反発するのでした。

経営戦略会議で重工業部門の強化を決めた近畿商事の社長・大門一三は、千代田自動車のメーンバンクである第三銀行の頭取から、千代田自動車をどこかと提携させるという話を聞き、里井達也副社長に動きを探るように指示します。

里井達也副社長は、千代田自動車の営業担当役の村山専務から話を聞き出します。里井達也副社長は、村山専務と大学の同窓生で、昵懇の仲でした。

千代田自動車はアイチ自動車(モデルはトヨタ自動車)・日新自動車自動車(モデルは日産自動車)とともに御三家の1角に名を連ねていましたが、レベッカやエンペラーの販売が伸びず、業績は低迷していました。

村山専務から、千代田自動車には富国自動車(モデルは富士重工業)と五菱自動車(モデルは三菱自動車)の2社から提携の話があることを聞くと、里井達也副社長は、「五菱自動車はバックに五菱グループが付いているから、将来的に飲み込まれる危険がある。千代田自動車が主導権を握れる富国自動車と合併する方が安全だ」と助言します。

そして、里井達也副社長は重工業化を進める壹岐正を出し抜くために、千代田自動車と富国自動車との合併に向けて動き出します。

一方、壹岐正は、里井達也副社長が千代田自動車と富国自動車との合併を画策していることを、思いがけない出来ことから知ります。

壹岐正の元に情報ブローカーの小出宏がやってきます。小出宏は元・近畿商事の航空機部長で、二次防FXに関連する情報漏洩事件において、贈収賄容疑で逮捕さた人物です。

小出宏はその後、起訴猶予になり、近畿商事の系列会社「キンキ・エレクトロニクス」に再就職していましたが、3年で退職して、情報ブローカーになっていました。

小出宏は千代田自動車が社運を賭けた新型車「タイガー1600(開発コード115)」の開発に関わる極秘資料を壹岐正の元に持ち込み、極秘資料を200万円で買い取るように要求します。

壹岐正は千代田自動車・厚木工場技術センターの小牧工場長と連絡を取り、極秘情報が持ち込まれたことを報告します。

壹岐正は極秘情報の買い取り額が相場の100万円よりも高かったため、極秘資料を買い取らず、「千代田自動車と直接話し合えるように話は付けてる」と小出宏をあしらいます。

後日、極秘に千代田自動車の厚木工場を見学した壹岐正は、千代田自動車の独立路線を推進する小牧工場長から、販売強化のため、強力を求められます。

そして、千代田自動車と富国自動車との提携に向けて動いている里井達也副社長の動きを阻止して欲しいと頼まれ、里井達也副社長の動きを知ります。

壹岐正は通産省の官僚と接触して、通産省の考えを探ります。通産省は千代田自動車の合併には好意的で、迫り来る外資に対抗するべく、千代田自動車が富国自動車や日新自動車と合併するべきだと考えていました。

そして、壹岐正は、合併を考えるのなら千代田自動車がベストだと確信するのでした。
千代田自動車の合併編のあらすじ2につづく。

コメントを投稿する