立春の日は卵が立つ

「立春の日は卵が立つ」という言い伝えがあります。この話の出典は、1946年に中国で見つかった古い文献です。

この古い文献に「立春の日は卵が立つ」との記述があり、そのことがニュースとして世界に配信されました。

そして、立春になると台湾で卵を立てる実験が行われ、本当に生卵が立ったのです。実験成功のニュースが流れると、みんなが卵を購入するために店へ殺到したため、台湾では卵の価格が高騰する事態に発展しました。

その実験が日本でも新聞で紹介され、「立春の日は卵が立つ」という話が広まったのです。

立春に卵が立つ理由は諸説あります。「冷えて黄身や白身の密度が高くなり、重心が下がるから」だとか「立春は地球の重力のバランスが釣り合う」などとする説もあります。

諸説ある中で最も有力なのが、中谷宇吉郎(なかやうちきろう)の説です。中谷宇吉郎によると、そもそも卵はいつでも立つように出来ているのだそうです。卵の表面を拡大すると無数のデコボコがあり、上手い具合にデコボコの3点でバランスが取れると立春や立冬にかかわらず、卵は立つとのことです。

中谷宇吉郎は、「立たないと思うから立たないのであり、立つと思えば立つ。人間の目には盲点があることは知られているが、人間にも盲点があるのだ」と解説しています。

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