新参者の感想

東野圭吾の小説を初めて読みました。「新参者」は、土日の2日間で読みました。文字数は少ないので、読むのが早い人は1日で読めるでしょう。

小説「新参者」は日本橋小伝馬町のマンションで三井峰子が殺害された小伝馬町殺人事件が発生してから、犯人の岸田要作が逮捕され、事件の核心を自供するまでの物語です。

物語は時系列で進むのではなく、人形町に住むそれぞれの視点から小伝馬町殺人事件を描いており、並列的に進んでい、段々と核心に迫っていきます。

徐々に情報が明らかになっていタイプの小説で、推理的な要素は少ないです。推理好きな人には不満が残るかもしれません。小説「新参者」が推理小説になるのかは不明ですが、刑事物の小説としては面白いです。

それぞれの章は独立しているようで、密接に関係しており、ストーリはよく計算されています。

小説「新参者」を読み終わったとき、映画「穴/HOLES」を思い出しました。映画「穴/HOLES」も計算され尽くしたストリーで面白かったので、ドラマ「新参者」も期待出来るでしょう。

加賀恭一郎は人情味のある刑事でした。どことなく、刑事コロンボのようでした。ドラマでは阿部寛が加賀恭一郎を演じるのですが、阿部寛という感じはしませんでした。

加賀恭一郎は人形町の人々に話しを聞きに行くときには、手土産を持って行きます。加賀恭一郎シリーズはいつも手土産を持って行くのか、今回の新参者だけなのかが気になりました。

手土産は時系列を示す意味があったのだろうか。たとえば、煎餅を持っていれば煎餅屋「あまから」の次に事情を聞きにやってきたというように。

さて、三井峰子は様々な要因の積み重ねで、最後に殺害されてしまいます。

友達の藤原真智子が清瀬弘毅を目撃しなければ、三井峰子は日本橋小伝馬町へ引っ越すことも無かっただろうし、銀行が合併しなければ、妊娠した店員・美雪を息子の彼女と間違うことも無かっただろう。

清瀬直弘が避妊していれば、戸紀子は宮本祐里を身ごもることはなかっただろうし、岸田克哉が会社の金を横領しなければ、岸田要作だって横領することはなかっただろう。

どれかひとつが欠ければ、三井峰子は死ぬことはなかっただろう。三井峰子は死んでしまってかわいそうなのですが、勘違いとはいえ、初孫ができるという喜びをもったまま死ねたのは幸せだったと思います。

色々なエピソードがあったけれど、一番良かったのは煎餅屋「あまから」の話です。偽の診断書を受け取った新都生命の田倉慎一は、偽の診断書を受け取ったためにアリバイに30分の空白が生まれ、三井峰子殺害の容疑がかかるのですが、最後まで偽の診断書のことを自供しませんでした。

偽の診断書を書いた医者は処罰されないのかが気になるけれど、その辺りの説明が無かったので物足りなかったです。

結局、三井峰子を殺害した犯人は岸田要作で、犯行動機も横領が発覚しそうになったからというありふれた動機でした。上杉博史が岸田要作に自供させるシーンもイマイチでした。

総合的には読みやすくて面白かったけれど、最後は意外性が欲しかったです。この辺りはドラマの脚本家に期待したいです。

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