小説「ジェネラル・ルージュの凱旋」で、東城大学医学部付属病院の救急救命センター部長の速水晃一が、ジェネラル・ルージュと呼ばれる理由についてのネタバレです。
ジェネラル・ルージュは「血まみれ将軍」とされていますが、ルージュの本当の意味は「口紅(くちべに)」です。
速水晃一が、ジェネラル・ルージュと呼ばれるようになった理由は、1991年に起きた城東デパート火災の事件に由来します。
城東デパート火災事件は、東城大学医学部付属病院の救急救命センターICU(集中治療室)の看護婦が勤務中も口紅を所持しているエピソードもリンクしてくるので、まずはICUの口紅のエピソードを紹介します。
ICUでは、看護婦は必ず口紅をして、いつも口紅を所持しなければならないというルールがあります。
ICUの看護婦が口紅を持つようになった理由は、「ICUには生死をさまよう患者も多く、口紅の臭いで現世に未練を感じ、生きようとする者が現れるかもしれない。看護婦は患者が助かるためならどんなことでもやる」とされています。
しかし、これは表向きの理由で、本当の理由は速水晃一がジェネラル・ルージュと呼ばれるようになったことにあります。
1991年某日夕方、開店セールをしていた城東デパートで火災が起きました。城東デパート火災は死者10数人・重軽傷者100人を出す大惨事でした。
東城大学医学部付属病院のICUには多くの患者が運び込まれてきました。次々と運び込まれてくる患者を処置していったのが、当時、2~3年目の新米医師だった速水晃一でした。
速水晃一は手際の良い処置で患者を手当てしていきますが、当時のICUは7床しかなく、直ぐに満床になってしまいました。
すると、速水晃一は館内放送で非常事態を宣言し、病院の前スタッフを自分の指揮下に納めて、フロアに臨時の病室にするなどして、次々と患者を処置していきました。
ICUが満室になり、館内に非常事態宣言をして強権発動するとき、まだ新人医師だった速水晃一は緊張から青ざめていました。
それを見た看護婦・猫田麻里が「指揮官が青ざめていたら、部下へ弱気が伝染する」とアドバイスし、速水晃一は看護婦・花房美和の持っていたひいて陣頭指揮にあたったのです。
この城東デパート火災の事件以降、速水晃一はジェネラル・ルージュと呼ばれるようになり、ICUの看護婦は常に口紅を所持するようになりました。
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