グラミン銀行

グラミン銀行とは、バングラディシュの経済学者ムハマド・ユヌスが1983年に設立した貧困層女性専門に融資するバングラディシュの民間銀行です。

グラミンとは、ベンガル語で「農村」という意味で、グラミン銀行は貧困層の女性を対象に小額無担保融資(マイクロクレジット)事業を展開しており、「貧困銀行」とも呼ばれています。

創設者のムハマド・ユヌスとグラミン銀行とは、貧困層の社会的発への寄与が評価され、2006年にノーベル平和賞に選ばれています。

ムハマド・ユヌスはアメリカ留学を終えて1972年に帰国。帰国後、国内の大飢饉に直面したムハマド・ユヌスは自分の得た経済学の知識を活かして、貧困層を救おうと考えました。

ムハマド・ユヌスはバングラディシュのある村で、竹細工を仕事にしている貧しい女性らに総額27ドルを貸した。これが、グラミン銀行の始まりです。

貧しい人にお金を貸す人は法外な金利を取る高利貸しだけでした。竹細工の女性らは材料費を高利貸しから借りており、法外な金利を払うと、わずかなお金しな残らず、貧しい生活を余儀なくされていました。

しかし、竹細工の女性らはムハマド・ユヌスから材料費として27ドル借りたことにより、法外な金利を支払わなくて済むようになりました。金利が低くなったおかげで、竹細工の女性らは今までの10倍の利益を得るようになりました。

そして、貧困層に正当な金利で融資する銀行が必要だと考えたムハマド・ユヌスは1967年からジョブラ村でグラミン銀行プロジェクトを開始し、1983年にグラミン銀行を設立しました。

グラミン銀行の仕組みは、貧困層の同じような職業の女性5人を1組みのグループにして、少額(平均200ドル)を無担保で融資します。女性らはグループを形成しますが、連帯保証の関係にはありません。似たような職業同士でグループを作ることにより、アドバイスを出し合い、欠点を改善するとされています。

グラミン銀行が女性を対象に融資する理由は、女性が虐げられていることや、女性は家族の事を大事にし、家族のためにお金を使用する国民性などが挙げられます。

グラミン銀行はボランティアではなく、利益を出す営利団体で、赤字はわずか3期だけで、ビジネスとして成立している。また、返済率は95%以上とされています。

グラミン銀行をビジネスモデルとした小額無担保融資(マイクロクレジット)事業は世界各地に広がっており、貧困層の社会的地位の向上が期待されています。

しかし、一方では、グラミン銀行は実質的な連帯保証制度を取っているなど、その仕組みを批判する意見も挙がっています。

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