ドラマ化された山崎豊子の小説「不毛地帯」のサルベスタン鉱区のあらすじ2です。
このページはサルベスタン鉱区のあらすじ1からの続きです。
近畿商事(モデルは伊藤忠商事)はイランのロイヤル・ファミリー(王室の一族)のバグネジャドと契約して安い原油を買いあさり、石油の売上高では、五井商事(モデルは三井商事)を抜き、トップの五菱商事(モデルは三菱商事)に継ぐ2位にまで躍進していました。
バグネジャドはイラン国王の異母姉の息子で、ロイヤルファミリー(プリンス・グルード)の端くれでしたが、政府要人に顔が利くため、近畿商事は月3000ドルと契約金額の1%を仲介料として支払い、イラン政府と仲介を頼んでいました。
テヘランに到着した近畿商事の兵頭信一良は、東山事務所長から「バグネジャドが仲介料(ファイナンス・フィー)の値上げを要求している」と報告を受けます。
兵頭信一良はロイヤルファミリーのバグネジャドと会いました。仲介料の値上げを要求するバグネジャドに対して、兵頭信一良は契約打ち切りを臭わせながら、イラン石油公社の総裁ドクター・キアを紹介するように要求しました。
バグネジャドはドクター・キアが出席するパーティーに兵頭信一良を招待しましたが、そのパーティーにドクター・キアは現れませんでした。
ある日、兵頭信一良はレバノンの首都ベイルートへ飛びました。そして、ベイルート駐在員の五月女(さおとめ)と合流して、石油コンサルタントのアブデッサラーム・ハバシュと面会しました。
アブデッサラーム・ハバシュは革命後にベイルートへ亡命したリビアの元石油大臣です。亡命後は、石油大臣時代の人脈を生かして、石油コンサルタントをしていました。
兵頭信一良は、アブデッサラーム・ハバシュからイランのサルベスタン鉱区の情報を得ましたが、サルベスタン鉱区はまだ公開されていないので、アブデッサラーム・ハバシュが見込みがあると薦めたリビアの鉱区に関する資料を2万ドルで購入しました。
兵頭信一良と五月女は、購入した資料の鉱区を視察するためにリビアへ飛びます。
2人は現地でアブデッサラーム・ハバシュの代理人メジェリフと合流し、アメリカの独立系石油会社「オキシデンタル(モデルはオクシデンタル・ペトロリウム)」の飛行機に便乗して、鉱区の視察へ向かいました。
兵頭信一良らは視察を終え、リビア・パレス・ホテルに戻ると、イランのサルベスタン鉱区が解放されるという噂を耳にしました。これまでの情報を総合して、兵頭信一良はサルベスタン鉱区に的を絞るのでした。
サルベスタン鉱区のあらずじ3へつづく。
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