サルベスタン鉱区のあらすじ4

ドラマした山崎豊子の小説「不毛地帯」のサルベスタン鉱区のあらすじ4です。

このページはサルベスタン鉱区のあらずじ3からの続きです。トップページは、サルベスタン鉱区のあらずじ1です。

日本石油公社(モデルは日本石油公団)グループから離れて、サルベスタン鉱区の国際入札に参加することを決意した近畿商事の壹岐正(モデルは伊藤忠商事の瀬島龍三)は、大手門にある竹中完爾資源研究所を訪れ、石油ロビイストの竹中完爾(たけなかかんじ)に会い、独立系石油会社を紹介して欲しいと頼みます。

しかし、竹中完爾は、日本の石油利権は佐橋総理(モデルは佐藤栄作)に通じていることや、アメリカのメジャー石油会社が日本の石油開発を快く思っておらず、日本がサルベスタン鉱区を開発することは難しいと忠告します。

壹岐正は兵頭信一郎に、近畿商事が組んでも売国奴と批判の出ないような独立系の石油会社を探すように命じます。

日本企業が外資と組んで入札に参加し、しかも日本石油開発公社と競争することは、資源の乏しい日本の国益に反すると批判されることは必至でした。

だからこそ、近畿商事が主導権を握ることができ、あらゆる面でしっかりとした石油会社をパートナーに選ぶ必要がありました。

兵頭信一郎はアメリカの独立系石油採掘会社「オリオン・オイル」に的を絞り、調査を開始したところ、オリオン・オイルがジャカルタのジャワ沖で採掘中の油田で、火事を起こしたという情報を入手します。

兵頭信一郎がジャカルタに着くと、浜中紅子(黄紅子)の計らいで、オリオン・オイルのリーガン会長に会えることになりました。さらに、油田の火災現場を視察できることになりました。

4大華僑の黄公司(ホワンコンス)の黄乾臣(ホワンカンチェン)はリーガン会長と個人的な交際があり、黄乾臣の第2婦人・黄紅子が兵頭信一郎のために一肌脱いだのでした。

壹岐正もジャカルタに飛び、リーガン会長と会談し、サルベスタン鉱区を共同開発する承諾を取り付けます。

ジャカルタから帰国するさい、壹岐正と兵頭信一郎は、シンガポールに立ち寄り、財務本部長の池田元利(いけだがんり)と合流して、資金調達について話し合います。

日本石油開発公社グループから離れて、オリオン・オイルと国際入札に参加すると、日本石油開発公社からの融資は得られなくなるため、近畿商事は100億円のリスクマネーを調達しなければなりませんでした。

3人は、サルベスタン鉱区の採掘に失敗しても近畿商事本社の屋台骨に響かないように別会社を設立して、インパクトローンまたはシンジケートローンにより資金を調達することを決めました。

近畿商事の里井達也副社長は大門一三社長(モデルは越後正一)に、真っ先に日本石油開発公社へ支援を要請したにもかかわらず、共同入札の末席に追いやられたのは壹岐正の不手際だと、壹岐正の責任を追及します。

さらに、里井副社長は役員会議で、「100億円のオールリスクマネーを調達して、グループから離れて入札に参加するのは危険だ」と主張して壹岐正と対立します。

しかし、油田開発に成功した場合に得られる莫大な利益に目がくらんだ大門社長は、オリオン・オイルと手を組んで、サルベスタン鉱区の国際入札に参加することを正式に決定します。

壹岐正は田淵幹事長(モデルは田中角栄)と面会して、日本石油開発公社グループから離れてオリオン・オイルと手を組んで国際入札に参加することを報告します。

壹岐正は、「日本石油開発公社が入札から漏れた場合の安全弁になる」と釈明します。

田淵幹事長は渋りましたが、日本石油開発公社が落札したとしても、近畿商事が落札したとしても、甘い汁が吸えるため、近畿商事が日本石油開発公社グループから離脱して国際入札に参加することを認めます

壹岐正は、日本石油開発公社の吉良総裁にグループからの離脱を伝え、正式に離脱します。そして、近畿商事はサルベスタン鉱区の入札に向けて動いくのでした。サルベスタン鉱区のあらすじ5へつづく。

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