新参者のあらすじとネタバレ

TBSドラマ「新参者」の原作となる東野圭吾の小説「新参者」のあらすじとネタバレを含んだ読書感想文です。

このページでは新参者の犯人をネタバレしているので、犯人を知りたくない人は見ないでください。

6月10日午後8時、東京都中央区日本橋小伝馬町にあるマンション4階の1室で、この部屋に住む翻訳家の三井峰子(みついみねこ=45歳)が死亡しているのを、三井峰子の知人で翻訳家の吉岡多美子が発見しました。三井峰子の首には紐のような物で絞められた跡があり、警視庁日本橋署は他殺とみて調べを進めています。

小説「新参者」の中では、このようなニュースが流れたのかもしれない。死亡したのは、日本橋小伝馬町(通称人形町)へ数ヶ月前に引っ越してきたばかりの新参者・三井峰子です。

そして、この小伝馬町殺人事件を担当するのは、日本橋署に赴任してきたばかりの新参者の刑事・加賀恭一郎です。

殺された三井峰子の部屋にあったパソコンに残されたメール、わさび入りの人形焼き、携帯電話に残った公衆電話から着信履歴などの謎を加賀恭一郎が1つ1つ解いていきます。

三井峰子は、清掃会社を経営する清瀬直弘と離婚した後、大学時代からの友人で翻訳家の吉岡多美子の手伝いをして生活していました。

そのようななか、三井峰子は友達の藤原真智子からのメールで、役者を目指して家を飛び出した1人息子の清瀬弘毅が日本橋小伝馬町界隈に住んでいることや、清瀬弘毅の彼女・青山亜美がアルバイトをしている店の場所を知ります。

三井峰子は藤原真智子から教えてもらった息子の彼女・青山亜美が勤務している洋菓子店「クアトロ」へ行き、お腹の大きい店員・美雪を見つけます。

そして、三井峰子は店員・美雪を息子の彼女だと思い込んしまいます。三井峰子は自分の孫が出来ると喜び、2人を陰ながら見守る事に決め、日本橋小伝馬町へ引っ越すのでした。

そして、日本橋小伝馬町に引っ越してきた三井峰子は、美雪の働いている洋菓子店「クアトロ」に足繁く通います。

しかし、洋菓子店「クアトロ」の店員・美雪は、息子・清瀬弘毅の彼女ではありません。清瀬弘毅の彼女・青山亜美で、青山亜美が働いているお店は同じ日本橋小伝馬町にある喫茶店「黒茶屋」です。

友達・藤原真智子からのメールに書かれていた喫茶店「黒茶屋」の説明は間違っていなかったのですが、2つの銀行が合併したことで、日本橋小伝馬町内に同じ名前の銀行が2つ出来てしまい、同じような場所が2カ所出来たため、誤解が生じてしまったのです。

三井峰子は諸事情が重なり、お金が必要となります。その大きな要因は、孫ができることでした。息子の清瀬弘毅は劇団員で収入は少ないため、息子を援助しようと考えたのでしょう。

三井峰子は、既に夫の清瀬直弘と協議離婚していましたが、離婚直後に清瀬直弘は元ホステスの宮本祐里を秘書として雇い入れたことを知り、結婚していたころから囲っていた愛人ではないのかと推測し、今からでも慰謝料が請求できるのではないかと考えます。

そして、三井峰子は、元夫・清瀬直弘の古くからの友人であり、清瀬直弘が経営する清掃会社の税務処理を担当している税理士の岸田要作に、清瀬直弘と宮本祐里との関係について尋ね、会社から宮本祐里へお金が流れていないかを調べるように依頼します。

清瀬直弘が秘書として雇い入れた元ホステスの宮本祐里の正体は、清瀬直弘が20代の頃にアルバイトをしていたカラオケバーの雇われママ戸紀子の娘で、清瀬直弘の子供です。

清瀬直弘は戸紀子の店でアルバイトをしていたころ、戸紀子と肉体関係をもちます。そして、戸紀子にプロポーズしていましたが、戸紀子は連絡先を告げぬまま、引っ越してしまいました。

時は流れて、清瀬直弘はクラブでホステスをしている宮本祐里を偶然見つけます。そして、宮本祐里が戸紀子の娘であることや母子家庭であったことを知ると、自分の娘であると確信し、自分の会社に雇い入れたのでした。

三井峰子から宮本祐里と清瀬直弘との関係を聞かれた岸田要作は、2人の関係については何も知らないと答えます。岸田要作は本当に2人の関係を知りませんでした。そして、会社から不透明な支出はなく、宮本祐里へお金が流れている形跡は無いことも説明します。

しかし、三井峰子は引き下がらず、税金対策の為に分割した会社の口座も含めて、別の税理士にチェックしてもらうと言い出します。この一言が命取りになってしまいます。

岸田要作は、カードローンの返済に窮した息子・岸田克哉から泣きつかれ、お金を工面するために、分割した会社の口座から3000万円を横領していたのです。別の税理士に帳簿を調査されてしまえば、横領が明るみにでることは明白でした。

岸田要作は即答を避けて時間をもらいます。そして、悩んだ末、三井峰子を殺害することを決意します。

6月10日、岸田要作はアリバイ作りのために息子夫婦と会う約束をします。そして、佐川徹の経営する玩具屋で独楽(コマ)を万引きし、公衆電話から電話を掛け、三井峰子に会う約束をします。

そして、三井峰子のマンションを訪れた岸田要作は、独楽に付いていた寄り紐(よりひも)を使い、三井峰子の首を絞めて殺してしまうのでした。

ドラマ「新参者」の撮影で使用されたお店などは、ドラマ「新参者」のロケ地をご覧下さい。
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