衝撃吸収素材「d3o」の仕組みと原理

話題の衝撃吸収素材「d3o(ディースリーオー)」の仕組みや原理について。

d3oは、イギリスのd3oラボ社が開発した新しい衝撃吸収材です。普段は柔らかいオレンジ色のゲル状(スライム状)の素材ですが、衝撃が加わると瞬時に堅くなり、衝撃が無くなると、再びゲル状の素材に戻る性質があります。

d3oは衝撃が加わると一瞬で固くなるという特性を生かし、海外ではスキー・スノーボードなどのスポーツ用のプロテクターやヘルメット代わりになるキャップやバイク用のウェアなどが商品化され、販売されています。d3oは安全性とファッション性を兼ね備える衝撃吸収素材として注目されています。

日本でもオンヨネがd3oを使用した野球用のサポーター(ベースボールギア)やグローブを開発しています。

以前は、海外から個人輸入しなければなりませんでしたが、現在は楽天市場でd3oを使用したスキーウェアや帽子やバイク用品やグローブなどを通信販売しているショップがあるので、簡単に購入できることがでるようになりました。

d3oが固くなる原理は、ダイラタンシー現象です。衝撃を与えるとその部分の水分が下に移動して、表面の分子同士の結合が強くなるため表面部分が固くなります。

このような性質を持つ物質は「ダイラタンシー物質」と呼ばれており、非ニュートン流体に分類されています。

イギリスのd3oラボ社は、ゲル状(スライム状)の原料をダイラタンシー性質を失わずにパット状に加工・成型することに成功したのです。

d3oのようなダイラタンシー現象は水溶き片栗粉で再現できます。作り方は、水7に対して片栗粉10を混ぜるだけです(多少微調整が必要です)。この液体を「ウーブリック(ウーブレック)」と呼ぶこともあります。

このウーブリックもダイラタンシー現象によって固くなるなるので、d3oと同じ性質だと言えます。

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