警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは5月25日までに、インターネット関連会社「ロマンシング」の男性社長(20歳)と男性会社員(27歳)とを詐欺の容疑で逮捕しました。
男性社長は2009年11月、コンピューターウイルスを仕込んだアダルトゲームをファイル共有ソフト「シェア」で流通させ、アダルトソフトをダウンロードした男性のパソコン内部の個人情報をHP「ICO 国際著作権機構」へ流出させ、「和解金5800円で削除する」などと持ちかけて、男性4人から現金を騙し取った疑いがもたれています。
また、男性会社員はコンピューターウイルス「Kenzo」を作製した疑いがもたれています。
Kenzoに感染したアダルトゲームをインストールするさい、インストールの指示に従って個人情報や必要事項を記入して送信すると、個人情報やパソコン内部の情報が、HP「ICO 国際著作権機構」に掲載される仕組みとなっていました。
HP「ICO 国際著作権機構」へ個人情報の削除を要請すると、違法ダウンロード(著作権の侵害)に関する和解金5800円を要求するメールが送信され、和解金を支払えば、HP「ICO 国際著作権機構」へ掲載された個人情報が削除される仕組みになっていました。
2010年3月には、長崎県長崎市にある江平中学校の男性校長が、Kenzoしたアプリケーションを実行し、HP「ICO 国際著作権機構」へ個人情報を流出させ、インターネット掲示板「2ちゃんねる」で話題となっていました。
インターネット関連会社「ロマンシング」は、以前からインターネット上で問題となっており、ゲームソフト「ロマンシング・サガ」にひっかけて、「ロマンシング詐欺」と呼ばれていました。
なお、コンピューターウイルス制作者が逮捕されるのは、2008年1月に「原田ウイルス」の制作者が著作権法違反で逮捕されて以来の2例目。コンピューターウイルスによる詐欺の適用は今回が初めてです。
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