不毛地帯のサルベスタン鉱区のあらすじ5

ドラマ化した山崎豊子の小説「不毛地帯」のサルベスタン鉱区のあらすじについて。このページはサルベスタン鉱区のあらずじ4の続きです。トップページは、サルベスタン鉱区のあらずじ1です。

オリオン・オイルと手を組んでサルベスタン地区の国際入札に参加することを決めた近畿商事の壹岐正(モデルは伊藤忠商事の瀬島龍三)は、陸士時代に同期だった韓国の李錫源(イ・ソグオン)と会い、イラン政府の要人に繋がるルートを相談します。

注:李錫源のモデルは、朴正煕(パク・チョンヒ)と李秉喆(イ・ビョンチョル)との2人です。

李錫源は崔大統領(チェ大統領)の側近で、近畿商事が千代田自動車(モデルはいすゞ自動車)とフォーク社(モデルはフォード)との提携を模索していたさい、フォーク社のフォーク2世会長に口添えをして、壹岐正がフォーク社と会談できるように取りなした人物ですが、李錫源はイランには人脈がないため、壹岐正の力にはなれませんでした。

しかし、壹岐正は李錫源から、イラン国王(シャー)の側近に、謎に包まれた侍医(メディカル・ドクター)が居るとの情報を教えます。

壹岐正からイラン国王の侍医を調査するように命じられた兵頭信一良は、イラン国王側近の侍医はドクター・フォルジであることを突き止めました。

ドクター・フォルジは、世継ぎができないことを理由に、イラン国王と前王妃とを離婚させ、イラン国王を現在の現王妃と再婚させ人物です。

ドクター・フォルジは、現王妃の出産が難産とみるやいなや、コーランの戒律で禁止されている帝王切開を断行し、見事に男児を取り上げてイラン王室を盤石にしたため、イラン国王から全幅の信頼を寄せられていました。

ドクター・フォルジはイラン国王と前王妃とを離婚させた張本人ですが、離婚後も前王妃を王室の一員として優遇していたため、前王妃との関係も良好でした。

兵頭信一良は、ドクター・フォルジと前王妃との仲が悪くないことを知ると、前王妃と親しくしている浜中紅子(黄紅子)に仲介を頼み、ドクター・フォルジとの接触を試みます。

イラン石油公社は、サルベスタン地区の入札に参加を希望する各社を呼び、入札前のヒアリング調査を行いました。各社は、サルベスタン地区を落札した場合、イランにどれだけ貢献できるのかをアピールしました。

五菱商事の上杉隆は、イラン石油公社のドクター・キアの息子に日本のおもちゃをプレゼントして取り入り、国際入札のヒアリングの結果を探ります。

ヒアリングの結果、1位はドイツのデミネックス、2位は日本石油開発公社グループ、3位は近畿商事・オリオンオイル連合でした。

上杉隆は近畿商事・オリオンオイル連合が3位に漬けていることを脅威に思うのでした。

ある日、近畿商事は輸入豚肉で脱税があったとして、関税法違反の容疑で捜査を受けました。日本石油開発公社グループを離脱して、オリオンオイルと手を組んで国際入札へ参加した事への嫌がらせでした。

さらに、シンジケート・ローンの引受先は決まりそうなものの、五菱商事などの根回しにより通産省がシンジケート・ローンの許可に難色を示しました。

一方、五菱商事の神尾専務はイランに貢献することをアピールするため、佐橋総理(モデルは佐藤栄作)にナショナル・プロジェクトチームの派遣を要請し、サルベスタン鉱区の落札に向けて着々と準備を進めていきます。

兵頭信一良は浜中紅子(黄紅子)の仲介で、前王妃から紹介状とドクター・フォルジについての情報を得ます。

兵頭信一良は前王妃の紹介状を持って、ドクター・フォルジが週に1度だけ過ごす別荘へ行きますが、ドクター・フォルジは会ってくれませんでした。

しかし、その後、ドクター・フォルジの使者がやってきて、モスクワで会うこと告げました。

兵頭信一良はこのことを壹岐正に報告してモスクワへの同行を求めます。壹岐正はシベリヤ抑留でソ連には苦い思い出があるため、モスクワ行きを嫌がりますが、意を決して、ロンドン経由でモスクワに入りました。

壹岐正と兵頭信一良の2人は、モスクワにあるイゴール・ペトロビッチ・ペトロシャンの別荘でドクター・フォルジと面会しました。

ドクター・フォルジは、アメリカからグランド社のアメリカ海軍仕様の戦闘機F14を購入するために、カプシ・コーラのシードル会長に引き合わせて欲しいと要求してきました。

アメリカは諸外国に販売する戦闘機に対して、搭載武器に規制をかけていました。

イランはイラクやサウジアラビアを出し抜くために軍事強化を図っており、規制のかかっていないアメリカ海軍仕様の戦闘機F14を欲していました。

このため、ドクター・フォルジは、アメリカのニクソン大統領の有力なパトロン(後援者)であるシードル会長に仲を取りなしてもらい、大統領決裁でアメリカ海軍仕様の戦闘機F14を購入しようと考えていたのです。

壹岐正はニューヨーク近畿商事時代に、カプシ・コーラを日本に売り込む手伝いをしたことがあり、シードル会長と面識がありました。

ドクター・フォルジはシードル会長を紹介すれば、近畿商事オリオン・オイル連合がサルベスタン鉱区を落札できるように手を回すことを約束します。

壹岐正はシードル会長に会うため、アメリカへ飛びました。サルベスタン鉱区のあらすじ6へつづく。

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