山崎豊子の小説「不毛地帯」に登場するドクター・フォルジとイラン国王のモデルについて。
ドクター・フォルジはアルメニア系のイラン人です。イランの椅子ファファンの名門でしたが、内乱が起こったのでヨーロッパへ亡命するさいに一族が皆殺しにされました。
その後、ドクター・フォルジはドイツのベルリンで育ち、ベルリン大学の医学部に進学していました。その後、イラン国王に侍医として招かれました。
ドクター・フォルジは、前王妃に子供ができないことを理由に、イラン国王と前王妃を離婚させ、現王妃と結婚させました。そして、現王妃が出産するさい、難産で危ないとみると、コーランの戒律で禁止されていた帝王切開を断行しました。
現王妃は無事に男の子出産して、王室を確たるものにしたため、イラン国王はドクター・フォルジは全幅の信頼を寄せ、重用していました。
またドクター・フォルジは、離婚させた前王妃に王妃の位を残し、皇室として優遇したため、前王妃とも良好な関係にありました。
ドクター・フォルジのモデルは現在調査中ですが、ドクター・フォルジが使えたイラン国王(シャー)のモデルはモハンマド・レザー・パフラヴィーのようです。
モハンマド・レザー・パフラヴィーは、バフティヤーリー族の貴族の長女ソライヤー・エスファンディヤーリー・バフティヤーリーと再婚したが、不妊症を理由に1958年に離婚し、ファラフ・ディーバーと再々婚しています。
それに、最新鋭のグラマン社の戦闘機F-14を購入しています。
不毛地帯では、サルベスタン鉱区の入札価格を近畿商事に教える条件として、戦闘機F-14が購入できるようにカプシ・コーラのシードル会長を紹介ように要求する場面があります。
したがって、イラン国王(シャー)のモデルはモハンマド・レザー・パフラヴィーだとみて間違いないでしょう。
ドクター・フォルジのモデルについては、引き続き調査します。
不毛地帯のその他のモデルについては、「不毛地帯のモデル一覧」をご覧下さい。
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