ドラマ化された山崎豊子の小説「不毛地帯」に登場するロビイスト竹中完爾(たけなかかんじ)のモデルについて。
竹中完爾のモデルは「政財界の黒幕」「昭和のフィクサー」と呼ばれていた児玉誉士夫だと思います。
名前は、四代目山口組組長の竹中正久と陸軍中将の石原莞爾(いしはらかんじ)の2人から取ったのではないかと思います。(ともに現在調査中です)
注意:竹中正久は1960年に竹中組を結成して、1961年に山口組に加入。1971年に山健組の若頭補佐に就任しています。不毛地帯の連載を開始したのが1973年なので、当時、竹中正久はモデルになるほど大物ではないというコメントを頂いています。
不毛地帯に登場する竹中完爾は、ロビイスト・利権屋です。安蒜公一が社長を務める日東交易(モデルは東日貿易)の顧問を務め、日東交易のタイピストと肉体関係にあります。
また、竹中完爾は、「今様太閤」と呼ばれる田淵幹事長(モデルは田中角栄)に太いパイプを持っており、近畿商事(モデルは伊藤忠商事)の壹岐正(モデルは瀬島龍三)から相談を受けます。
竹中完爾のモデルは児玉誉士夫かと推定できるポイントは2つあります。
1つ目は、児玉誉士夫は、日本政府がインドネシアへ開発支援するさい、高級クラブ「コパカバーナ」で働いていたホステス根本七保子(後のデヴィ婦人)を東日貿易の秘書としてスカルノ大統領へプレゼントしている点です。
2つ目は、児玉誉士夫は、「昭和のフィクサー」と呼ばれるほど政界に太いパイプを持っており、伊藤忠商事の瀬島龍三とも関係が深い点です。
不毛地帯に登場する日東交易のタイピストをデヴィ婦人だと考えれば、竹中完爾のモデルは児玉誉士夫の可能性が大きいと思えます。
そして、竹中完爾のモデルを児玉誉士夫と考えれば、東日貿易やインドネシア政府支援やインドネシア賠償との整合性がとれます。
不毛地帯のその他のモデルについては、「不毛地帯のモデル一覧」をご覧下さい。
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